MM2Hでマレーシアに移住して生活していると、行事や式典のときに必ず耳にするのが国歌「Negaraku(ネガラク)」。
独立記念日(Merdeka Day)の8月31日が近づいているので、いろいろな場面でこの曲が流れています。
実はこの国歌、ちょっとユニークな歴史を持っているんです。
Negarakuの意味と歌詞
「Negaraku」とはマレー語で「私の国」という意味。
国を愛する気持ちがストレートに伝わるタイトルです。
歌詞は「我が国、マレーシア」「平和と繁栄を」「国民は忠誠を誓う」という内容で、難しい言葉はあまり使われていません。
インターナショナルスクールに通っているお子さんたちは、集会などで歌っているはずですので、おそらく歌えると思いますよ!
国歌のルーツは…フランスのシャンソン!?
ちょっと驚くのが、このメロディのルーツです。
実はフランスの19世紀の流行歌「La Rosalie」というシャンソンがもとになっています。
これは、フランスの作曲家ピエール=ジャン・ド・ベランジェ(Pierre-Jean de Béranger/1780–1857)による曲です。
これが、セイシェル諸島で大人気になり、インド洋を旅し、やがてマレー半島のペラ州に伝わりました。
そしてペラ州のスルタン(州の王様)が州歌として採用したんだそう。
そのため、長い間「ペラ州歌」として親しまれてきました。
国歌に選ばれた理由
1957年、マラヤ連邦(現在のマレーシア)が独立する際に「新しい国歌が必要だ」という話になりました。
それまでは“国歌”は存在せず、式典などではイギリスの国歌「God Save the Queen」が使われていました。
国歌募集の際には世界中から応募が集まりましたが、なかなかピンとくるものがなかったそうです。
そこで「国民にすでに馴染みのある曲を採用しよう」ということで、ペラ州歌がベースとなり、歌詞を独立した国にふさわしいものへと書き換えて誕生したのが「Negaraku」です。
つまり、マレーシアの国歌は「もともと州歌だったものが国歌に格上げされた」という、とてもユニークな成り立ちを持っています。
ペラ州の州歌はどうなった??
マレーシアはすべての州と連邦直轄区には、それぞれ州歌があります。
州歌のメロディが国歌に格上げされたペラ州、今の州歌が気になりませんか。
なんと...ペラ州の州歌は国歌と同じメロディ です!!
国歌に格上げされても、変えなかったんですね。
ただ、歌詞は違います。
ペラ州の州歌は 「Allah Lanjutkan Usia Sultan(アッラー・ランジュトカン・ウシア・スルタン)」 といいます。
これは「神よ、スルタンの長寿を守りたまえ」という意味。
スルタンへの忠誠と長寿を願う内容になっています。
実は、国歌と州歌が同じメロディというのは、世界的にもかなり珍しいケースだとか。
きっと、ペラ州民にとっては「自分の州の歌が国歌になった」というのは、誇らしいですよね。
逆に、他の州の人たちが初めて聞くと、「あれー、国歌とおなじメロディだ!!」ってびっくりするかもしれません!
まとめ
マレーシア国歌「Negaraku」は、フランスの流行歌 → ペラ州歌 → マレーシア国歌という、珍しい経緯をたどってきました。
そして、ペラ州は、おなじメロディで歌詞が違う州歌になっています。
独立記念日前のこの時期、ぜひ改めて耳を傾けてみてくださいね。