マレーシア・クアラルンプール(KL)には、120年以上の歴史を持つ「日本人墓地」があるのをご存じですか?
先日、ASEAN首脳会議でマレーシアに来られた高市首相も訪問して話題になったこの墓地について紹介します。
クアラルンプール日本人墓地とは?
正式名称は「The Japanese Cemetery of Kuala Lumpur(クアラルンプール日本人墓地)」といい、場所はPuduにあります。
管理はクアラルンプール日本人会(JCKL)が行っており、墓地の中には約1600名の日本人が眠っています。
この墓地ができたのは1899年(明治32年)で、マレーシア(当時はマラヤ)に渡って働いていた日本人労働者や商人、そして戦中・戦後に亡くなった人たちのために作られました。
以来120年以上、マレーシアに暮らした日本人の「足跡」を静かに見守ってきた場所です。
現在は「慰霊の場」
名前に墓地とついていますが、現在新しい埋葬は行われていません。
墓地のスペースが限られていること、また現代では火葬や送骨が一般的になったことが理由です。
そのため現在は、「マレーシアで亡くなった日本人すべてを慰霊する場」として機能しています。
2018年4月には、墓地の敷地内に慰霊碑が建立されました。
毎年春と秋には日本人会による慰霊祭が行われ、マレーシアで亡くなられた方々の冥福を祈る儀式が続けられています。
2025年には高市首相も訪問
2025年10月、高市早苗首相がマレーシア公式訪問の際、このKL日本人墓地を訪れ、慰霊碑に献花しました。
このニュースをきっかけに、「そんな場所があったんだ」と初めて知った方も多いのではないでしょうか。
戦時中にマラヤで亡くなった日本人兵士や民間人もここに眠っており、首相の訪問には賛否もありました。
しかし、同時に「異国で暮らした日本人の歴史を忘れない」という意味でも、この墓地の存在が改めて注目されました。
一般の人も訪問できる?
この日本人墓地は観光地ではありませんので、基本的には門に施錠がされています。
訪問したい場合は、春と秋に行われる慰霊祭に参加するのが一般的です。
ただし、個人で訪れたいという場合には、日本人墓地を管理しているクアラルンプール日本人会に事前に連絡して訪問することも可能です。
マレーシアで亡くなった場合はどうなるの?
「もしもマレーシアで亡くなったら、この墓地に入れるの?」と考える方もいらっしゃいますが、上記のとおり、現在は新しい埋葬は受け付けていません。
MM2Hなどで長期滞在している日本人がもし亡くなった場合は
・現地で火葬後、日本へ送骨
・ご遺体のまま日本へ帰国
・現地で散骨
といった方法があります。
最近は、現地で火葬することが多い傾向にあるようです。
まとめ
高市首相の訪問で話題になった日本人墓地。
マラヤの時代の日本人の先人たちが静かに眠っている場所です。
MM2Hでマレーシアに移住したら、ぜひ春と秋に行われている慰霊祭に参加してみてください。
※2025年度の慰霊祭は終了しています。